BOSSの独り言3

Big Island & Argos Entertainment社長の独り言

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東京~君と出逢えた街~3

~僕が僕であるために ~

東京に来て1年。

アルバイト・・・アルバイト・・・アルバイト・・・

何の為の夢?誰の為の夢?

本当は・・・もう・・・どうでもよくなっていた。

バイトとアパートの往復。

今日も、あるバンドのオーディションに向かう所だった。
心の奥では・・・「どうせ・・・ダメなんだろうな」
と、半分諦めかけていた。

遥夏が、数歩・・・歩んだ所で・・・一瞬、振り向いた。

まるでスローモーション。

行き交う人波の中、向日葵の笑顔だけが見えた。

「あ・り・が・と・う」と、唇が動いた気がした。

“行け!!”
“行かなきゃダメだよ!!”

裕二の中の裕二が叫んだ。

ギターケースに躓きながら、裕二が駆け出した。

遥夏の背中だけを目指して、人波を掻き分け走る。

たった数秒の間・・・

何かに突き動かされたのが真実。

ずっと捜していた・・・

ずっと逃げていた・・・

ずっと諦めていた・・・

ずっと自分に嘘をついて、自分に言い聞かせていた。

“自分を変えるって決めたんだろう?”

そう、この都会で、この雑踏で、この街で・・・
生きる意味が・・・何故か・・・見つかる気がした。

何の根拠も裏付けもない。

そう、ただ・・・そんな直感がしただけ。

「ちょっと待って!!」

裕二の大きな声が、ビルの上の四角い夏空に響いた。
  1. 2008/01/31(木) 23:59:57|
  2. 東京~君と出逢えた街~

東京~君と出逢えた街~2

~恋におちて~

「ゴメン・・・怪我しなかった?」

「うん、大丈夫」

「あっ、俺、麻生裕二」

「大沼遥夏」

夏の陽射しが照り返す雑踏。
街のノイズ。

二人の足元には、大きなバッグとギターケース。

遥夏が、大きなバッグを担いで、裕二に軽く会釈をした。

まるで向日葵のような笑顔。
少し丸い鼻と、大きな二重の眼差し。
鼻を中心に、広がる雀斑。
ふくよかな唇に、八重歯がのぞく。
そして、少年のようなボーイッシュな髪型。

裕二の胸の奥の方に、落雷のような衝撃が走った。

ただ・・・ボーっと・・・我を忘れて・・・
ただ・・・一点・・・遥夏を眺めていた。

「ゴメンね、急いでるから・・・もう行くね」
柔らかなハスキーな遥夏の声がした。

街のノイズの中でも、はっきりと聴こえた。

「う、うん・・・き、気をつけて・・・」

スクランブル交差点の人波が、一気に動き始めた。

遥夏も踵を返して、駅方向へ歩き始めた。

呆然と・・・遥夏の白いワンピースを見送る裕二。

“おい、裕二、いいのかよ!!”

“二度と逢えないぞ!!”

“追いかけて、声掛けないと!!”

裕二の心の中で、もう一人の裕二が呟いてる。

そう、裕二の良さは優しい所。
言い換えると・・・弱さ、優柔不断。
いつも、母に言われてた。

「もっと、何事もハッキリせんと女にもてんよ」と。

1年前に、広島を出た。
その時も、2年間付き合った彼女に言われた。

「裕ちゃん、優しいだけじゃダメなんよ」

「ウチは、裕ちゃんに付いて行く自信ないけん・・・」

「ヒロは、地元に残った方が、ええよ・・・」

心にもない言葉を吐いてる自分が情けなかった。

本当は・・・東京に連れて行きたかった。

ギタリストになる夢・・・
それも・・・ヒロに見せる為の夢だったはず・・・
  1. 2008/01/31(木) 23:59:56|
  2. 東京~君と出逢えた街~

東京~君と出逢えた街~1

☆☆☆☆☆☆☆
裕二19歳・・・
遥夏20歳・・・
1993年・・・
ひと夏の恋・・・
東京の片隅・・・
☆☆☆☆☆☆☆


~夏の日の1993~

裕二・・・ギタリストを目指す19歳。
遥夏・・・舞台女優を目指す20歳。

1993年、夏。

真夏の陽射しがアスファルトに照り返す。
行き交う人波・・・点滅するシグナル。
渋谷のスクランブル交差点。

裕二は、センター街方面へ。

遥夏は、センター街方面から。

全速力で・・・
スクランブルの人波を掻き分け突進していた。

裕二の肩には、ギターケース。

遥夏の肩には、大きなバッグ。

二人とも・・・
心に決めた大きな夢と希望を担いで・・・
息を切らし、汗を噴出し走っていた。

裕二・・・広島県の出身。

遥夏・・・北海道の出身。

広い東京のど真ん中で・・・
出逢う必然のない二人が・・・

その一瞬に向け・・・走っている。

ドスン。

「痛い・・・」
灼けたアスファルトに手を突いて倒れ込む遥夏。

大きなバッグが、遥夏のバランスを崩した。

本当の原因は・・・
裕二の背負ったギターケースを避けようとしたのだ。

振り向く裕二。

急ぎ足で、見て見ぬ振りの人波。

スクランブルの真ん中で、泣きそうな顔の遥夏。

信号は、変わり・・・鳴り響くクラクション。

「ゴメン!!大丈夫?」
遥夏に駆け寄り、大きなバッグを左肩に背負い・・・
遥夏の手をグッと掴み、一瞬、周りを見渡す裕二。

近い方・・・
センター街方向へ、遥夏の手を引き、駆け出した。

すれ違い様・・・
裕二にも・・・感触はあった。

5分・・・いや・・・1分・・・
30秒・・・二人の時間が、すれ違っていたら・・・

この広い東京で・・・
二つの人生が、出逢うはずもなかった。

今は、そんな事すら考える余裕はない二人。

クラクションの中・・・
手を繋ぎ、全速力でスクランブルを横切る二人。

1993年の夏。

7月25日、日曜日、午後14時。

真夏の陽射しが、二人に降り注いでいた。
  1. 2008/01/31(木) 23:59:55|
  2. 東京~君と出逢えた街~
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プロフィール

BOSS@康記

Author:BOSS@康記
<池永康記>
山口県出身、12.7生、O型
バンドのベーシストとして上京。
バンドの夢破れ作詞家に転身。
松崎しげる、柳ジョージ、
世良公則、織田裕二、小野正利、
class、井上武英、MITSUO、
河内淳一、長与千種、等
10年間で、300曲余りを提供。
94年~アサヒスーパードライCM
プロデュースを切っ掛けに・・・
マルチプロデューサーに転身。
独自のプロデュースワークは・・・
唯一無二の変な手法との噂(笑)
近年、作詞家復活の兆し・・・
㈱Big Island
Argos Entertainment㈱
代表取締役らしい・・・(笑)


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